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『今日のテレビ面白かったよねー』
いつものように布瀬春からメールが届いた。
『都市伝説のやつでしょ。
あれヤバイよね』
ベッドで寝返りを打ちながら返信する。
布瀬春は『楽しい会話はSNSよりメールでしょ』『私はHARUじゃなくてHALUだから』など、少し変わったこだわりを持っていたが、その分毎晩のように面白い話が聞けた。
『瀬里奈は都市伝説なんて信じる?』
春の問い掛けに、
『どうなんだろう?
実際目の前で起きたら信じるかもだけど』
笑いマークを付けて返信。
『最近この辺りでも変わった事あるらしいよ』
『なになに?』
また面白い話が聞けると思ってすぐに尋ねる。
『【半分子供】ってのがいるらしくて……』
『なにそのネーミング。超ウケるんだけど』
『【半分、半分、半分……】て叫びながら、子供が走ってるらしいんだけど……』
相変わらず続きの気になる話に惹かれていく。
『それでそれで?』
『その子を捕まえて、【何が半分なの?】って聞いて答えが返ってきたら幸せになれるんだって』
『あはは、幸せになりたーい』
半分本気の冗談を返す。
『窓を開けてみてよ。
もしかしたら半分子供が……』
恐怖を煽る春に、
『この向こうの土手を半分子供ご走ってるかも……』
乗っかって窓を開けた。
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