6. キスから始まる恋もある!

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「熊倉!」 「え?きゃっ!」 僕は優しく熊倉の肩を掴むつもりだったが、慌ててしまったせいで足を滑らせ、熊倉を押し倒す形になってしまった。 テーブルにぶつかった衝撃で、熊倉がいれてくれたお茶がカーペットにこぼれる。 ーーーーヤバい! 熊倉は僕に押し倒されたことに驚いて固まっている。 「あ、あの……」 パニックに陥った僕の頭に、クリスタの言葉が思い浮かんだ。 『キスからはじまる恋もあるっ!』 そうだ、キスをして告白だ!キスをしてーー そんな二人の様子を、クリスタとエレナは虫メガネで見ていた。 「あぁ~もう、いいところなのにぃー!」 「どうしたんですか?クリスタ」 先ほどからそわそわと落ち着きのないクリスタを不思議に思い、エレナは訪ねた。 クリスタは真面目な顔で答えた。 「トイレがしたい!」 「早く行ってきてください」 「えぇ~でもぉ~……」 虫メガネから目が離せない様子のクリスタ。 だがしかし、ここで漏らされても困る。 「ここは私の家です。もし漏らしでもしたら、これで撃ち抜きますよ?」 エレナはボウガンを取り出した。 「行ってまいります!」 クリスタは敬礼をして、トイレに猛ダッシュした。 「まったく……」 苦笑して、エレナは再び虫メガネに視線を戻した。
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