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可愛くて、と言ったら怒るだろうか。
強面の彼が、こんなにも可愛い。
「関谷くんが濡れちゃうでしょ?」
半分に隔てる、その仕切りの棒を持つ彼の手の僅か上に私の手を添えて棒を垂直に立て直す。
私の肩が彼の腕に触れて、それに反応してか瞠目しながら赤らむ彼を可愛いと言わなくて何と言うのだろうか。
私の頬が緩んだ。
もう、半分に隔てる棒など関係なく、私は彼に更にくっついてみた。
恥ずかしくて、目を見ることも出来ずに俯きながら……。
了
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