プロローグ「少女への問いかけ」

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ここは精霊界エレメンティア 精霊たちの住まう世界である そしてそのエレメンティアを統べる王国スピリディアの王都セレネの城の城門の前に大きな荷車があった 「じゃあ繁栄街シュトルフまで荷物を頼む 王様直々のお願いだそうだ」 「あいよ 運び屋光の旅人にお任せあれってな」 銀色の鈍い光が反射する鎧を着た騎士と紺の髪色をした青年が何か話しているようだ どうやら彼は運び屋と呼ばれているらしい 運び屋とはどんなものでも依頼人の依頼通りにものを運び荷を下ろす人たちのことを皆そう呼んでいる そう…どんなもの…たとえそれが人であってでも、だ 「報酬は後に払う それでは頼んだぞ」 「はいはい、んじゃいきますかね」 青年は荷車に乗り、馬を走らせる その荷車にある荷台に「人」がいるとは知らずに… 王都を出てすぐに彼は気づいた 荷台がゴソゴソと何か動く音がする ネズミかなにかいるのでは?と思い、馬を止めて降り、槍銃を構える するとその瞬間荷台を包んでいたシートからパッと少女が現れた 「おいおい…なんで女の子が荷台にいるんだよ?忍び込んだのか?」 少女を見るなり構えるのをやめて腰のベルトに戻す
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