3429人が本棚に入れています
本棚に追加
/518ページ
『壮亮』
『何ですか?』
『ひよに家事はやらせないでね』
『え?何で?』
壮亮はきょとんとした顔で俺を見る。
『ひよが料理を手伝って包丁で指を切ったらどうするの?』
『え』
『洗い物をして可愛い手が荒れたらどうするの?』
『た、確かに……!』
俺の言葉に馬鹿なくらい単純に簡単に頷いた壮亮。
『ひよにはずっと可愛い女の子で居て欲しいだろ?』
『確かにっ!!』
流石バカ壮亮。
簡単に洗脳出来た。
バカだから忘れるかもしれないから、一応定期的にこの台詞は言っておくか。
それに将来、男除けにも使えそうだな。
バカだからこそ利用価値があるな。
「壮亮はバカだから、ひよに近付く男除けにも使えたし、色々便利だったよ」
男除けってまさか……
「まさか、お兄ちゃんが男の子と居る時に決まって現れたのって……」
「ちょっと壮亮に吹き込んだら、ひよのところへ全速力で向かってくれるから便利だった」
お兄ちゃんは良いように暁君に使われてたのね……。
「前も言ったけど、家事を出来なくさせてごめんね。でも責任は一生を掛けて取るから安心してね」
「……」
最初のコメントを投稿しよう!