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「暁君って何でも出来るんだな」
パパも暁君の料理に舌鼓をうっている。
「本当に美味しい。ママ、敗北感しか感じない」
暁君の作ったご飯はママには悪いけれど、ママのご飯よりも美味しい。
昨日から我が家の食卓は暁君のお陰で豪勢になった。
暁君の作る料理はプロレベルで、見た目も綺麗だし、味は美味しいし、言うことナシ。
勉強も出来て、料理も出来て、しかもスタイル抜群で顔も格好良いし。
どれだけ神様は暁君に才能を与えたんだとつい嫉妬してしまう程。
「そんな事ないですよ。おばさんの料理も美味しいです」
こんな美味しいご飯を作れるのに謙遜する暁君。
やっぱり暁君は出来た大人だな。
お兄ちゃんとは違って。
「お兄ちゃんはご飯食べないの?食べてないんでしょ?美味しいよ?」
お兄ちゃんは不貞腐れてリビングの隅で膝を抱えて座っている。
「要らない!」
もう、意地っ張りなんだから……。
「これならママも安心して預けられるわ。ね?パパ」
「そうだな」
ママとパパが顔を見合わせて頷いている。
「はい、安心して頂けた様で良かったです」
「俺は認めてないぞ!暁君だって仕事はどうなんだよ!今日平日なのに仕事は!?」
そこに落ち込んでいたはずのお兄ちゃんが割り入ってきた。
「在宅ワークだから自分のペースでやりたいときに出来るから」
「はぁ!?それ本当に仕事してるんですか!?ちゃんとした仕事なんですか!?自宅警備員という名のニートじゃないでしょうね!?」
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