2 ドキドキのお付き合い

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「出て行くも何も、貴方の部屋ないわよ?暁君が使ってるから」 「え」 ママの一言に固まるお兄ちゃん。 「壮亮がそこまでして帰ってくるならそれでも良いよ。俺はひよの部屋で寝るから」 「「え」」 今度は私もお兄ちゃんと一緒に暁君の一言に固まる。 「もっとダメだ!!ってか家、隣でしょーが!自分の家で寝れば良いでしょ!」 「予行練習しておかないとね」 「何のだよ!必要ないから!俺は交際すら認めないぞ!」 笑顔で答える暁君に吠えるお兄ちゃん。 「暁君、もうバカな壮亮は放っておいてご飯を食べましょう」 そんなお兄ちゃんに呆れるママ。 「そうですね」 「俺の話、聞いてますか!?俺は絶対に認めないからなー!」 お兄ちゃんは何を言っても駄々を捏ね続けているので、流石に二日連続妹が心配だからというバカな理由で有給を使うわけは無いだろうし、そのうち頭も冷えると思ってそのまま放っておく事にした。 だけどお兄ちゃんは17時になっても帰ろうとしない。 「お兄ちゃん、私は大丈夫だよ?」 「……」 「それにいつまでも有給使えないでしょ?」 「……」 「私は大丈夫だよ?」 「……全然、大丈夫じゃない!」
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