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芽生えた殺意
今夜もあなたは私の気も知らず無防備に寝息をたてている。
安心しきったその寝顔を眺めながら大きなため息をついてベッドを降りた。
眠れない私はソファーにうずくまり、心の中で“明日こそは”と何度も呟く。
どのタイミングで、どんな方法で。
ありとあらゆる状況をシミュレーションしながらゆっくりと眠りの淵に堕ちていく。
こんな不毛な夜を何度重ねただろう。
私は今日もまた、あなたを殺しそびれてしまった。
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