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「おし!じゃーこの問題解ける奴いるか?」
私は生徒に投げかけた。
小学生の頃に授業をまともに聞いていれば誰にでも解るレベルの問題だ。
「はい!はい!はぁい!僕解けます!」
いつもの様に中村マサル、1人だけが手を挙げた。
『先生!中村の声でか過ぎるから注意しろ!せっかく寝ている奴が起きてしまうぞ!』
小さな声で私の指導員であるベンジャミン先生(通称ベン先生)が声をかけてきてくれた。
『はい!ありがとうございます』
私もいつもの様に小さな声で返事を返した。
「おい!中村!静かにしろ!寝ている奴が起きるだろ!」
私は、中村に注意をした。
「あ!ごめんなさい。先生、僕が書いていいですか?」
「あぁー、いいぞ!」
案の定、顔を伏せて寝ていた奴らが中村の声で起きた。周りを見渡し時間を確認している。
そんな授業も苦にはならなくなったのもベン先生のお掛げだ。
寝ている奴は寝ていればいい、小声でならお喋りもしていればいいが、大きな声では困る。理由は、私が他の先生に注意をされるからだ。
後は好きにすればいい自分達の行いが内申点にダイレクトに影響されるだけなのだから。
中村は笑みを浮かべながら黒板に織田信長と書いた。
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