プロローグ

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細身でイケメンかも、と見とれてしまった舞は、片手を上げて去った男の人の背中を見送って、通路をまた覗き込んだ。 「良く当たるんだ…」 足が自然に前に進む。 薄暗い照明に忍び足になりながら、一番奥の扉まで来てしまった。 【タロット占い 料金1000円~内容に寄って異なります】 扉にはそれしか書かれていない。 見ようによってはホラーハウスの入り口だ。 「でも、当たるなら」 舞にはどうしても知りたいことがあった。 占いなんてあてにならないのは分かっていたけれど、気休めでもよいから、何かの答えを欲しかった。 手で押すと扉がゆっくりと奥に開いていく。 もっと深くなった暗い部屋の中に、舞はそっと身を忍ばせながら入った。 後で、開いたときと同じく、音もなくゆっくりと扉が閉まった。
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