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「それ位分かってるよ。神楽坂さんもしつこいなぁ」
彼はデスクにブリーフケースを置くと、空いた手に持っていた白い袋からサンドイッチとおにぎり、苺牛乳の紙パックを取り出した。
「苺牛乳って?周防さんが飲むの?」
苺牛乳と周防さんの組み合わせがおかしくて思わず笑った。
周防さんはバツの悪そうな表情で眉を曲げる。
「コンビニに苺牛乳しか飲み物がなかったんだ・・・」
「そんなワケないでしょ?」
彼の苦し紛れのいいワケが尚笑いを誘った。
「ツボにハマちゃいそう・・・」
「笑うな・・・」
周防さんはグイッと両手を伸ばして私の腰を抱いて来た。
嫌いな男にキスされたかと思えば、今度は抱き締められてしまった。
「笑わないから…離して」
私は彼のカラダから離れようとするけど、大木のように微動だしない。
逆に嫌がる私を不敵に見ていた。
「早いですね・・・周防さん」
「隠れろっ。神楽坂」
周防さんは足で椅子を引き、私をデスクの下に押し込めた。
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