イベント用短編小説

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僕は冷たい態度を取った。 なぜか? それは親しくなればなるほど、嫌われた反動がキツイのを今日このアミって子の前で涙を我慢出来ないくらい辛い思いをしたから。 そんな彼女は僕の冷たい態度にひるむ事なく一歩ずつ歩み寄ってくる。 「友達になろうよ。」 実際の距離は縮まった訳じゃないが、 心の距離を詰めてくるのがわかる。 僕の心は半径500m以内に人を近づけたくなかった。 これも子供の頃学んだ学習だから。 嫌われる辛さがあるなら、近づかない方がいい。 それを学んだ。 無理して友達を作ろうとして知ったかぶりをして、誰も僕の言うことをまともに聞いてくれなくなった。 だったら初めから何もしなきゃよかったじゃないか? それを学習した僕は自分の前にバリケードを貼った。 だから彼女への答えは自ずとこうなる。 『いらない。』 彼女が落ち込んでる感じだった。 それでも引き下がらない。 「タケル君今の趣味は?」 僕は誰にも言った事のない秘密をこのアミに話した。 『ヌイグルミを包丁で刺すのと、妄想だけ。』 自分で言って自分で引くくらいのセリフだった。 自分でヒクくらいだから女の子ならドン引きだろう。 「わかった。今日は帰るね。」 そう言って彼女は帰って行った。 これでよかった。     
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