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Better Half
『愚痴言いたいから、今度飲むの付き合って!』と五年前同期で入社した美子(みこ)からラインが入った。そろそろ来る頃だとは思っていたが、相当頭に来ているようだ。
『それって、デートのお誘い? それとも、俺はパンチングバック?』
『どっちでもいいけど、女一人じゃ酔っぱらえないでしょう!』
『ほい、ほい。』
『金曜の夕方開けといてよ!』
『女王様の仰せの通りに。』
『もう一回、女王様って呼んだら、殴るからね!』
『ほい、ほい。 金曜、仕事跳ねたら連絡する。』
『ありがとう。』
『その方が可愛げがある。』
『やっぱり、殴る!』
私はそのラインには返事をせずに仕事に戻った。
美子と私は大学のサークルが同じで、飲み会等でお互い顔馴染みではあったが、ただそれだけの関係だった。就活の時期に入り、外資系の会社の説明会で偶然一緒に成り、同じ会社に入社した。その年の新規採用は私達を含めて五人だけだった。
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