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「ねえゆぅくんゆぅくん」
いつもいつも嬉しそうに話しかけてくる半那。俺がそれに応えても応えなくても話を続けるのだから、いつしか俺はそれにも応えなくなっていた。
「あのね、血液は半分失うと死んじゃうんだって。だから血は半分こできないだよ……だけどね?」
半那は時折外出しているらしく、その時の出来事を嬉しそうに語る。他にも、日常的なことから、半分このことまで……話題は尽きない。
「ねえ知ってる?臓器の中でも二つあるもの……例えば腎臓なんかは、一つなくなっても生きていけるんだって!」
毎回、何を半分こするか……それを語る彼女は、すごく嬉しそうだ。
「だから……」
そんな彼女の口癖……以前は俺を幸福に導き、今は俺を突き落とす。それは……
「ね、半分こしよっ♪」
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