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闇に仇なす闇
数分後ーーー
グチャグチャになった店内と遺体の処理を務める警察達が現場へ到着し後処理を始めていた
「何か手伝った方がいいんすか?」
慌ただしく動く警察を見て、そんな気持ちに駆られる十夜
「いいんだよ。俺らの仕事は拘束、殲滅だからよ」
「…わかりました」
それよりも、十夜は一つ気がかりなことがあった
ここに来るまでの間、鴫田はまるでここで罹患者が暴れるのがわかったかのように、本部から直行した
「…鴫田さん。何でここに罹患者がいるのがわかったんすか?」
「…ふっ、何でだと思う?」
知らないから聞いてんだろうが。と思ったが流石に言えなかった
「…罹患者を感知する機械でもあるんすか?」
「…んー、半分正解」
「…?」
「…アークスは、細胞値の高い人間に監視役をつける。つまり常にマークしてるんだよ…
そいつは罹患者の発症を感知する機械を持ってる
その機械が俺らアークスに現在地を発信するってわけだ」
「え…じゃあ今もどっかにいるんすか…?」
「ああ…また別の罹患者候補の元にでも向かったんじゃねえか」
「だがまぁ…マークしてる奴なんてのは然程脅威でもねえ。実際はダークナイツが出向くまでも無い奴ばっかだな」
「…本当に厄介なのは…罹患者であることを隠す事ができる奴だ…」
「隠す?」
(んな事出来んのかよ…)
「ああ…罹患者でありながらハッキリと意識を持ち、悪意を孕んだ奴がな…ーー」
「それ罹患者じゃないんじゃ…」
「ああ…それを俺らは…帰克者と呼ぶ」
「帰克者…前に叶さんて人が言ってた」
「俺たちダークナイツも、帰克者の集まりだ。つまり、そんな連中と俺らは、同類なのさーーー」
ただ、ベクトルが違うだけでなーー
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