半分を私に

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同じ時間、同じ場所、同じ空気を好きな人と半分に分けあえたら、どんなに幸せだろう。 そういう意気込みで、私は彼といつも一緒に帰っているし、メールも何通も送る。 できれば、彼の中にある半分を私で満たせたらとも思う。全部が無理なことはわかってるけど、半分ってことは彼のなかの100パーセント中50パーセントを占めるということだから、この作戦はなかなか良いと思う。 彼……赤木奏(あかぎかなで)くんは可哀想な人。元カノの束縛の後フラれて、今恋をするのが難しくなっている。束縛も酷いもので、女子と挨拶しただけで嫉妬されて怒られていた。 その痛みすら半分に分けられたらと思う。 でも、彼はとても素敵な人だ。周りから不良と言われているけど、とても優しくて包容力がある。一緒にいると安心する。 頭はそんなに良くないけど、運動神経はいい。二年生のとき、先輩が赤木くんを格好良いと言っていたのを覚えている。 今、私たちは三年生、卒業するまでに振り向いてもらうのが、私の目標だ。
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