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戦禍の傷
-わたしの名前は知子(チコ)年齢は10才
兄弟は上に一人下に一人
姉妹は上に一人下に一人
いる
この戦いに明け暮れた世の中で
お父様やお母様
そして
兄様や姉様妹弟達と不自由なく生活できて幸せだと思っている
私の家はそんなに大きくないけれど
それでも源おじさんと静おばあさんが私の家族と一緒に住んでいる
お父様は色々物事を知っている学者さんでたまに領主様から使いの人が来られる
夏の暑いある日
わたしがお庭で柴犬の万太郎と遊んでいると
「チィ
ちょっと来てくれないか」
とお父様の声が聞こえた
-何かな~?
と思いながら縁側を横切りお父様のお部屋に入る
「はい
お父様」
「お!
来たか早かったな…
もう少し待っていなさい……
………………………………よし
出来た
チイこの書簡を山向こうの神社に住まれている神主様に渡してきてくれないか
「はい
分かりました
あ…お父様
万太郎も連れていって良いですか?」
「ああ良いよ
だけど神主様に粗相のないようにな」
「はい♪
では行ってきます」
と元気良く家を出た
万太郎はかなり体が大きくて私を乗せて走ったりも出来る
でもそんなわたしだからこそおてんば娘と笑われその度にお父様は苦笑いをしている
「万太郎はフカフカして気持ち良いな~」
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