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電話を切ると早速、テーブルの上にある、履歴書に記入を始める。本来であれば、定規などを使い、下書きをしてから、記入するのが普通であるが、電話の感じから、誤字などがなければ、採用される様な感じだったので、簡潔に履歴書を完成させて、言われた通りの場所まで、逆算して10分早めに着くように、家を出た。
〇〇産業の、事務所のインターホンを押すと、先程、電話対応をしてくれたであろう男性が、扉の鍵を解錠して、中に案内してくれた。
「すみません、急かすように面接を、取り決めてしまいまして、どうぞこちらにお掛けください」
男性は、申し訳なさそうに、頭を下げながら、奥へと進んで行き、部屋の手前にある椅子へ、丁寧に案内して、本人は対面の椅子に腰を掛ける。
「こちらが履歴書になります」
自分は頭を下げて、履歴書を渡し、案内された椅子に座る。
男性が黙々と、履歴書の内容を確認して、こちらに顔を上げながら、いくつか質問をする。
「現在も、株式会社〇〇で、働いてるんですね…こちらの方には、週に何回くらい出れそうですか?」
「そうですね…週に3、4回は出れると思います」
「それは助かりますね…当社は仕事内容が、ちょっと特殊になるのですが、そちらの方の免疫は強い方ですかね?」
「う~ん…実際に体験してみないと、その辺はなんとも言えないですが、グロいホラー映画とかは、普通に観れますので、大丈夫だと思います」
「まぁ、そうですよねけど、ホラー映画などを、普通に観れるのであれば、実物を見て、気を失わないと思いますので、大丈夫ですかね」
(気を失った事がある人が居るのか…)
いくつかの、質問が終わり、男性に問題ないと判断されたので、採用をその場で申告された。
「ちなみに…今日とかって、現場に出てもらう事とか、出来ます?」
「今日ですか!?…大丈夫ですけど…」
「いやぁ~本当ですか!?助かります、実は欠員が出ていて、困っていた所だったんですよ…それでは早速、作業着のサイズと靴のサイズを合わせましょう」
男性は、満面の笑みで、握手をしたかと思うと、クローゼットから服と靴のサイズを確認して、取りだし試着させる。
その流れに逆らうことは出来ずに、あっという間に、俺は仕事スタイルへと、変身させられた。
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