公園

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公園

テスト期間が終わり、暇になったまみは陵介と会う約束をしていた。 陵介もテスト期間で、土日は部活がないというので、二人の家の間にある、 大きな公園で待ち合わせをした。 大きな公園では、犬を散歩する人やカップルでフリスビーをしたり、 家族がブルーシートを広げてピクニックをしている。 そのところどころにベンチが用意してあり、海に隣接した木に囲まれた公園は すがすがしい海風をうけながら、ゆったりとした時間を過ごせる幸せな空間。 二人は、ベンチに腰掛け、また話を広げた。 まみは、まったりとしたデートが好きだった。 それに合わせてくれる陵介に感謝すると同時に、好意が芽生えていた。 毎日連絡してても飽きない。 まったりとした時間を二人で過ごしても苦痛じゃない。 なによりもイケメンだ! そしてサッカー部。なにもかもが完璧だ。 陵介もどうやらまんざらでもない様子で、ベンチに座るまみの肩に腕を回してきた。 「ごめん、ちょっとこうしたくなっちゃって」 照れながら言う陵介にまみはイチコロだった。 「ううん。大丈夫。うれしい」 まみの頬は、すこし赤らめていた。 そして目を合わせる二人。 彼の腕が回っている状態では、二人の距離は近い。 目が離せない。なんだか とろーん とした気分になっている。 なんだこの時の止まったような感覚は。 まみはそんなことを考えていた。 ほんの数センチで唇が当たりそうだ。 彼は、もう片方の手でまみのあごを支えながら、その唇を重ねてきた。 彼の何とも言えない唇の柔らかさに、つい、まみももう一度キスをして返した。
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