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電話を切ったそのすぐ後に向こうから歩いてくるブレザーの男の子。
短髪で高身長。
「まみちゃんだよね!!待たせてごめん!」
RYOU。本名、中村陵介(りょうすけ)。彼だった。
サッカー部っぽいさわやか男子で、顔はイケメン。いわゆる、しょうゆ顔ってやつだ。
鼻も高く、堀も深い。
少しやんちゃさが見えるような眉毛の太さに、少し消えかかっている柑橘系の香水の匂い。
まみの陵介に対する好感度はグーーンとあがった。
こんな人と出会えるなんて!
それから二人は、そのまま市民プールの観覧席でしばらく話をした。
「高校生活どう?」
「私は、結構楽しくやってるよ!女子高だから体育の後の汗ふきシートのにおいはすごいけどね!」
「俺も高校でもサッカー部入れてめっちゃうれしいんだよね!部活忙しいけどさ!」
お互いのことをよく話した。
どんな中学時代だったか。
趣味は映画がすきだとか、スポーツはするのも、観戦するのも好きだとか。
2時間ほど話したところで、彼が実は寮に住んでいることを知った。
市外の中学校に通っていたらしく、高校では寮にくらしながら通学しているらしい。
--高校から一人暮らしみたいなもんだよなあ。すごいなあ--
「俺、土日忙しいからさ、土日会うなら、俺の寮来ない?部活帰りすぐ帰れるし!」
不信感を抱いたまみだったが、さわやかな彼に下心があるとは思えなかった。
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