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---雨は嫌いではない
---良い思い出がたくさんある
「あーあ、やだな。なんで突然天気が悪くなるんだよ。」
顔をしかめながら、濡れた体操着を脱いでお前は愚痴を零した。
…ああ、嫌だな。
お前はきっと気づいていないんだろう。
「でも、まぁ………濡れたケイを見れるの良いかも。」
ニヤリとイヤラシイ顔をするお前の言葉に、自分でも分かるほど熱くなった。
「………そんな顔すんなよ」
サッカーの授業で突然の雨、先生にボールの回収に頼まれて、みんなより遅くなった俺たち。
そして2人きりの更衣室。
「………ケイ…。」
顔を近づけるお前に………
俺は………
どうしようもないくらい吐き気がする
俺をその腕で抱きしめ、舌を絡ませたお前の背中に誰のか分からない、真っ赤な、真っ赤な
誰かが付けた痕がある事をきっとお前は気づいていないだろう。
------大好きなこの雨の日で見たくなかった
(「好きだよケイ、大丈夫だ。
ほら、力を抜いて。
痛くない?
ハァ………、嬉しいよ、ケイ。
大好きだよ。
ケイ………ケイ、俺の"蛍"。」)
---------きっとお前は気づいていない
(「ハァ、ンッぁぁ、俺、も好き、マサ、ァン……、大好き…………政義。」)
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