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「おい、あの婆さんなんか変じゃないか?」
「そう?日向ぼっこしてるんじゃないのかな?」
そう思ってみていると、寝ているのか寝ていないのかわからなかったが、いきなり体がグラッとベンチから落ちる。
秋彪が走っていって抱き起こし、車椅子で側まで寄りながら秋彪の様子をうかがう。
「ここで俺の力は使えない。雪翔、誰か呼ぶか電話してくれ」
言われたまま携帯で同じ病院の受け付けに電話をすると、すぐにストレッチャーと看護師が来てお婆さんを運んでいく。
見つけたのが自分達だったので、そのまま付き添う形となり、その時の状況を話す。
「最初は寝てると思ったんですけど……」
秋彪も同じように言ったので大丈夫と聞くまでは待とうと言うことになり、待合室で待ちながらお婆さんが出てくるのを待った。
「あれ?雪翔君?」
「あ、病棟の……」
「雪翔君が見つけてくれたのね?」
「二人でだけど。お婆さんは?」
「ここの入院患者さんではないの。まだ話ができる状態ではないけど、発見が早かったから、このまま入院になるわ」
「大丈夫なんだよね?」
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