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6・
身籠ってからは、正規の縛りも数倍に強化された。おまけに正智の監視も、四六時中にグレードアップした。
何処にも、出して貰えない。
お母様が車の接触事故が起きた所為で、死産に為り。そのせいで死んでしまった事が、こんな事態の原因らしい。
産婦人科医の診察にまで、正親が付いて来る。
こんなに物凄い籠の鳥に、陽子さんは本気で為りたがっていたのだろうか。また会う事があったら、絶対に聞いてみたいと思っている。
本当に、一人で何処にも行けない。何処に行くにも必ず正規が付いて来る。
「仕事は、如何したの?」
思わず聞いてしまう桐子に、笑って答えた。
「人を使って自分の時間を作るのも、仕事の内だ。君を逃がさないためなら、どんな努力も惜しまないさ」
ついに、正規に捕まってしまった。
正規を愛してはいるが、全く鬱陶しい限り。彼のあまりの溺愛振りに、唯々呆れるばかりだ。これで彼を裏切ったりしたら、きっと命がないと思った。
アレは裏切りを黙って許すような、そんな甘い男じゃ無い。
もっとも・・裏切りを試す勇気など、欠片も無い私だが、「何時かはお母様を見習って、反撃して遣る」、と心に決めている。
夢は、絶対に諦め無い。
必ず何時か大学院に戻って、弁護士にも為って見せる。
【負けないんだからね。フンッ!】
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