半分イヤホン

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教師のところに質問に行ったら、そのまま世間話に付き合わされた。 終わった頃にはいつも学校を出る時間を過ぎている。 ……走れば間に合う? でも、また逃してホームで一時間は……。 少し悩んですぐに駅に向かって走り出した。 早く帰ればその分、家事に余裕ができるから。 私の母は小説家であまり家事をしない上に、締め切りが迫ってるって死にそうになってたから、いまはほんとに期待できない。 父さんはそんな母さんが好きで結婚したから、なにも云わないし。 「……ダメだったか」 ホームに出ると、去っていく電車が見えた。 はぁーっ、無駄な努力、しちゃったな。 ため息をつきつついつものベンチに目を向けると、また先客あり。 スポーツ刈りで少し焼けた肌。 耳に突っ込んだイヤホン。 このあいだの、男子。 制服からすると、同じ高校。
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