新しい朝

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「うわっぉ!甘甘じゃない!全くもぉ~」  よっちゃんが、いきなり大声で言った。  日曜の昼下がり、よっちゃんの部屋に、クッキーシュークリームを持ってお邪魔している。  昨日角田の部屋から朝帰りした私は、年頃の娘が酔いつぶれるなんてっと両親に怒られたけれど、すぐに解放された。 「ねーちゃん、ホントは男んトコだろう?」  確信を持って耳打ちしてきた弟には、後日焼肉ランチに連れて行く約束をした。  そして、今日、よっちゃん家に事後報告に来ている。  角田がかおるくんに電話をしてくれた話を聞いたよっちゃんは、雄叫びを上げた。 「いいっ!いいっ!やるじゃん角田っ!男だねぇ~」    ・・・それは、私も、思った。 「はあ~、いいなぁ、ほら、あれよ、誰の歌だっけ?“誰かにとって特別だった君を、マーク外す、飛び込みで、僕はさっと奪い去る~”よねっ!」  ・・・それは、角田も好きって言っていた、オザケンです。 「へーえ?ティファニーの指輪かぁー、何でだろうね、男ってさ、焦ると指輪に走るよね。それで、その指輪って、ゼッタイ!サイズ合ってないわよ」  どきってした。  あの、角田のお土産の箱もティファニーだったから。  
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