キラキラ

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キラキラ

3月も終わりの暖かい日。 美鳥は水着姿で崖の上に立っていた。 そこは海面から約5メートル程の小さな崖で、島の子供たちはここから飛び込みをして遊ぶ。 でも美鳥は昔から怖くて一度も飛べず、18歳になってもここに立つと足がすくんだ。 その少し後ろで幼なじみのハルが腕を組んで仁王立ちしている。 「飛べ!美鳥!」 叫ぶハル。 「…やっぱり飛べないよ。…ごめん。」 「あぁ?お前が飛びたいって言うから来たんだろうが!あっさり諦めんじゃねぇっ!」 そう、飛ぶから見ててくれと誘ったのは美鳥の方。 昔から勇気のない美鳥。 遠くの大学へ行く事が決まり、生まれ育ったこの島を来週離れることになった。 「あの崖を飛んで自信をつければ、向こうでも頑張れる気がする。だから一緒に来てよ。」 などと言ってハルを呼び出したが、本当は崖から飛べたら、ハルに想いを伝えるつもりだった。
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