「100円ちょうだい」

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放課後、駅前で友達と待ち合わせの時に声をかけられた。 なんだこいつ 背は小さい、小学生くらいの子供かと思ったが顔は大きな白い布に隠れてよく見えない。 上から下まで白装束のような、布を何重にも巻いて着ているが薄汚くてボロボロだ。 くさい、体からする匂いもアンモニアの刺激臭がする、なんだか気味が悪い。 「100円ちょうだい」 僕は無視して、その場から離れるが「そいつ」は後をついてくる。 100円貰うまでついてくる気のようだった。 「和希!ごめんね、お待たせ」 待ち合わせしていた友達がやってくる、最悪だ。 「ミヤ、遅いよ、ってか喉が渇いたからコンビニ早くいこ」 四宮は「そいつ」を見て、こちらに目配せをしてくる  僕はなるべく関わりたくなかったので「そいつ」の存在をなるべく認識しないようにした。 「100円ちょうだい」
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