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が――。
快楽の余韻に浸っていられるのもそこまでだった。
次の瞬間。
「え……?」
僕らの身体に上からふわり
シーツが被される。
と――。
「悪いことは言わない。ここらで引き上げるんだ!」
不意に聞き覚えのある声がした。
「早く――立って!」
差し迫った状況が分かってないのは僕だけか――。
緊迫した声に促されるまま
「和樹、掴まれ」
九条さんに支えられ、僕はふらふらと立ち上がる。
と同時――。
「待て!」
「俺らにもやらせろよ!」
「まさか見せつけるだけじゃないよな?」
興奮した男たちが5人、10人と言わず
ジリジリと僕らににじり寄ってきた。
まずい――。
さすがに僕だって死んじまう。
「こっちだ――!」
シーツの向こうで声が呼ぶ。
僕らはもつれる足で一目散駆け出した。
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