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ブルーベリーに水をあげないと。
パパは話してくれた。ブルーベリーには♂と♀があって、風や蜂の受粉だけでは足りない時があるんですって。だから、時々、私が軽く揺さぶるのよ。
私は、実がついたと時のまだ硬いままのものが好きよ。
左手に少し摘んで、池に近づくの。
ねぇ、大人って、淋しい金魚じゃなくて?
あら、私が来たから金魚がエサを貰えると思って近づいてきちゃったわ。
透明でもない池を覗くと私がうつってるの。
鏡じゃないから。私がはっきりと見えないのよね。
水の中に手を入れて、金魚を捕まえてみようとしても逃げちゃうの。
悔しがって何度か試す私をね、葉っぱの上の蛙さんが笑うのよ。
いいわ。
「こんにちは、蛙さん。私の手の上に、お乗りなさいな。」
ねぇ、私。私は・・・水に浮かぶ蓮の花みたいでしょ。
下からね、白や赤の金魚達がつつくのよ。
淋しい金魚につつかれて、蓮がユラユラ ユラユラと。
ほら、揺れてるでしょ。
愛人はね、私のことを「青い果実」だなんえ言うの。悔しいけど、あなた達みたいな「淋しい金魚」でもないから、そうね、だから・・・lotusなのよね。
あら、いけない!
ブルーベリーを下手にかんじゃって、口が汚れてしまったみたいだわ。
パパがくれた汕頭のハンカチで拭いちゃえ。
・・・・・・・
文化人類学の後、専門科目に出て、その後わたしは図書館で10分程眠っていたらしい。
ノートに書いた文字がミミズのようになっている。
時計を見ると午後5時を過ぎていた。
そろそろ帰宅して「パパ」の家に行く準備をしないといけない。
今日も「パパ」がいないといいのだけれど・・・。
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