プロローグ

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 「や、やめろ・・・!嫌だ、死にたくない、やめてくれ!殺さないでくれ」  十六夜(いざよい)の月が照らす、夜の闇に(しず)んだ国の(はずれ)。  年をとった中年の男が暗闇(くらやみ)に助けを乞う。  しかし、闇の中に人の影は見受けられない。  否。確かにそこに存在している。  目には映らない。  しかし、その闇には確実に一人の男が(ひそ)んでいる。  「だ、誰の依頼かは知らんが、金は出す!幾らでも払うから助けてくれ・・・・・・”死神”!!」  ”死神”  最強で最凶。  この世に存在して居るかどうかも定かではない。  幻と(ささや)かれる、殺し屋。  その姿を(とら)えた者は、誰一人として存在していないが(ゆえ)に”(まぼろし)”。
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