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時雨が頷くのを認め、巴は夜光に目を向けながら説明をする。
巴に示された夜光は、時雨の傍に寄り、口を開く。
『・・・目を閉じて、作りたいものを浮かべる。そこから、さっき俺がやった様に掌に光が集まるイメージで構成していく』
説明しながら、夜光は時雨の手を取り、掌を上に向けさせる。
そこに、夜光自身の手を、拳一つ分間を開け上から翳す。
時雨は、言われた通りに両眼を閉じ、イメージを浮かべる。
すると、上に向けた掌がほんのり暖かくなり、収まったころに目を開く。
時雨の手の上に浮かんでいたのは、弐つの小さなアメジストが付いた雫型のピアスだった。
『ピアス・・・ですか?』
時雨が創り出したピアスを見て、巴は首を傾げる。
何故ピアスなのだろうか、と。
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