この海色を、何と言おうか。

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波音だけが、私たちを包む。 月の光だけが、海を照らす。 午後8時12分。 「時間、大丈夫?」 「うん、あと15分あるから。」 彼があの街に帰る汽車までの時間。 時が止まれば良いのにね、という映画のワンシーンのような言葉が浮かんで消える。 「寒くない?」 「うん」 左肩に貴方が居る。 それだけで良かった。 それだけで良かったのに。 「孝弘。」 今日、私は“親友”とさよならをする。
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