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森の奥まで行かないように。
暗くならないうちに帰るように。
私はお母さんとそう約束していた。
だけど、この森の近くに住んでいるアキちゃんが一緒にいてくれるなら、どこへ行ってもきっと平気だ。
明日には、東京のマンションに帰らなくちゃならいし、
そしたら、もう二度と今日みたいな特別な日は訪れないような気がしていた。
「うん、アキちゃん。
もっと森の奥まで行ってみよう。
そしたらもっと、カブトムシがいるよね」
「そうだね、真美ちゃん。
森の奥には、きっとカブトムシがいっぱいいるよ」
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