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大好きだー
乙女寮の朝
一人こすもす部屋で洗顔と歯磨きの順番に乗り遅れた豊子…
「澄子、はやぐして」
ちらりと豊子を見るもののいたってマイペース…
時子が席を空けた。
「ありがとうござでゃ」
「澄子、遅いよね~」
隣同士になった豊子と澄子…
「あんた、遅すぎる」
睨む豊子。
「そんたに遅くないよ」
もごもごと歯ブラシを口に入れたまま返答する澄子…
あっと言う間に豊子が終わり、その場を去った。
「あれっ、誰もいね…」
慌てて口の回りをタオルで拭いて走り出す。
松下「みなさーん、おはようございま す!」
「今日も一日ご安全に」
ニコニコして、みんなの顔を見渡す愛子。
みんな「ご安全にー」
幸子「動かします」
ガチャ
ゆっくりと動き出すベルトコンベア…
各々、自分のパーツを間違わないよう神経を集中させる乙女たち。
ブー
「三番!向きが反対」
手を上げる澄子…
「ごめんなさいっ」
澄子の冴えない表情にすぐに気づいたみね子。
「どしたん?」
小声で言った…
「なんもないだす…」
元気ないような…
朝ごはんはちゃんと食べでだけど。
集中しないと私が間違えでしまう…
結局午前中、澄子は三回も流れを止めてしまった。
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