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「好きです!付き合ってください!」
こんなベタな台詞、生まれて初めて言われた。
突然受けた告白にも関わらず、俺は冷静だった。
「………が……ぅ……、……ぃ……」
前言撤回、めちゃくちゃ動揺している。
「…へ?なんて?」
俺は今、「ありがとう。理由を聞いてもいいかな?」と、スマートでクールな返しをするつもりが、声が小さすぎて相手には聞こえていない。
いやいやいや、生まれて初めてこんなに可愛い子からの交際の申し出だ。動揺しないやつの方が可笑しいんだ。このクラスで1番可愛い橘りあから!俺よ、ファイトだ。頑張れ!落ち着け!深く息を吸うんだ!吐いて!そう!深呼吸!
「あ、あの……」
「はっ、はひっ!」
声が裏返ってしまった。なんて格好悪い。
「私、高坂君のことが好きなの…えっと、だから…ダメ、かな…」
透けそうな白い肌に良く似合う紅く染まった頬の色。全くダメじゃない。むしろ大歓迎だ。ウェルカム橘!断るわけないだろ!
「こんな俺なんかでよければ…」
そう言うと、橘はにこりと笑った。
「ありがとう、高坂君」
橘は、とても嬉しそうな顔をしていた。
この時俺は知らなかったんだ。まさか、あんなことになるなんて_____
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