4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
悔し紛れの冗談のつもり。
しかしユーキ君は耳を赤くしながらこう言った。
「……離してほしくない場合はどうしたら?」
眼鏡がずれそうなほどに俺は驚いた。
そして思わず組んでいた腕を抜いてしまって。
「――はっ、俺の勝ちって事で。はい、これとこれ。トールさんの支払いって事で」
と、ユーキ君はその場を後にしてつまみコーナーに行ってしまったのだった。
……あらら、どうやら全部、透けてたようで。
参ったな、と俺は試飲をもう一杯お願いしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!