透けるグラス、透けないグラス

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 悔し紛れの冗談のつもり。 しかしユーキ君は耳を赤くしながらこう言った。 「……離してほしくない場合はどうしたら?」  眼鏡がずれそうなほどに俺は驚いた。 そして思わず組んでいた腕を抜いてしまって。 「――はっ、俺の勝ちって事で。はい、これとこれ。トールさんの支払いって事で」  と、ユーキ君はその場を後にしてつまみコーナーに行ってしまったのだった。  ……あらら、どうやら全部、透けてたようで。  参ったな、と俺は試飲をもう一杯お願いしたのだった。
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