海と響さんと美音さんの過去

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****** 「ハァ…凄かった……。」 美音さんのマシンガントークは凄まじく、後半はもう何がなんだかわからなくなった。 ……疲れたな…。 多分遊び疲れた。 今まで遊び疲れたことなんてなかった。 ……嫌じゃない疲れもあるんだな……。 そう思っていると、一際強い風が吹いた。 ……涼しい…。 今は自由な時間。 プチパーティーの後、夕食の時間になるまで各自自由に過ごすことになった。 私は響さんに二階に行けと言われたため、二階に向かった。 そこでバルコニーを発見して、今に至る。 「ワンッ!」 「わたあめ!」 「ワフッ!」 「二階にいたんだ。」 プチパーティーの時いないと思っていたら勝手に二階で遊んでたらしい。 「何かあった?」 「ワン!」 わたあめは嬉しそうにしっぽを振っている。 多分楽しかったんだろう。 しばらくじゃれあっていると、 「あっ!椿ここにいたの。」 「美音さん。」 美音さんが来た。 どこか悲しそうな顔をして。 「どうしたんですか?」 「んーん。ちょっとね。」 美音さんはバルコニーにあったイスに座った。 釣られるようにして、私ももう一つのイスに座る。 それからはしばらく無言だった。 今までに見たことのない美音さんが隣にいて、戸惑った私は話しかけることもできなかった。 ……どうしよう…。 「ねぇ、椿。」 「え?あっはい。」 先に無言を破ったたのは美音さんだった。 「椿は今日楽しかった?」 「はい、とっても。」 「…良かった…。」 「美音さん…?」 「……。」 美音さんは泣きそうな顔をして私を見つめている。 ……どうして…。 「あのね椿。」 「はい。」 「どうして響が海に入らなかったと思う?」 「え?」 美音さんからの突然の質問に私は戸惑った。 ……確かに響さん…結局海入らなかった…。 「…何か…理由があるんですか?」 そう言った瞬間、美音さんは笑った。 泣きそうな顔のままで。 「…昔ね…遊んでたの…ここの海で。」 「……。」 「その時はまだ私と響は仲良かった。」 「……。」 「けど…海で遊んでいた時……私は響に酷いことをしたの。」 「……。」 「そのせいで仲悪くなっちゃった。」 「…何が…あったんですか?」 もしかしたら聞いてはいけないことかもしれない。 それでも…聞きたかった。 少しでも…響さんを知りたかった。
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