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「頼まれた時は嵐の前触れかと思ったわ。」
当の琢磨さんはケタケタと笑っている。
……何かやっと安心したかも……。
ずっと気にはなっていたから、謎が解けて良かった。
「まぁ当時はまだ見習いだったんだけど…響が俺なら大丈夫って言ってさ。」
……やっぱり仲良いんだ…。
「椿ちゃんに手を出しても容赦なくぶっ飛ばせるって。」
……仲良い??
二人の関係がよく分からなくなってきた。
「いや~でも大変だったんだよ?調べてる最中にバレたりしてさ。」
「え?!」
「あっ…。」
琢磨さんが視線をゆっくり響さんに移していく。
私も琢磨さんの視線に合わせて響さんの方を見た。
……怖っ!!
響さんは無言で琢磨さんを睨んでる。
そう、鬼。
「もう言わない!もう何も言わないから許してくれ!」
琢磨さんは必死に響さんに許しを乞う。
けど響さんは鬼のまま。
……にしても…バレたって誰に?
「はい。じゃあ次は僕が自己紹介するね。」
「…真司さん…。」
この雰囲気で自己紹介しようと思える真司さんが凄い。
「僕は花野井真司。響や琢磨と同い年で、職業はパラリーガルだよ。」
「パラリーガル?」
「弁護士の助手みたいなもんかな。弁護士になる前にちょっとやってみたくって。」
「へー。」
うん、凄い。
「響と何かあったら来てね。」
……そうならないよう頑張ります…。
「にしてもまだ終わらないね。」
「え?」
一瞬よくわからなかったけど、すぐに何か分かった。
「……。」
「響!俺なんでも言うこと聞くから!!」
「……。」
響さんと琢磨さんの状況は全く変わってなかった。
「琢磨はすぐに口を滑らすんだよ。」
「そうなんですか?」
「うん。まぁさすがに仕事の時は大丈夫だけど。」
……じゃなかったら職業柄やばいんじゃ…。
「ねぇ、暇だから私も話加わっていい?」
「美音さん。」
「いいですよ。」
「何かお菓子食べてる間にいろいろあったみたいね。」
……あれ?そういえばお菓子どこいったの?
テーブルの上にはいつの間にか何もなくなっていた。
「美音さんお菓子どうしたんですか?」
「え?食べちゃったわよ?」
「え?!」
……あの短時間で…?
「さっ、あっちの二人はほっといて話しましょ。」
その後私と真司さんは美音さんのマシンガントークに打ちのめされた。
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