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お参りを終えると、境内の横の道を抜ける。
「この裏にコウイチと遊んだ公園がある。」と笑う。
公園は滑り台や、ブランコがある子供の遊び場だ。
「来るたびに思うんだけど、子供の時思ってたより結構狭いな。」と微笑む。
誰もいない公園のブランコに永野さんが座って、文庫本を読んでいた。
「昔もコウイチはここで俺を待ちながら本を読んでた。」とクスリと笑う。
ブランコに近づくと、永野さんは顔を上げる。
「よお、たくさん願い事は出来た?」と笑った。
安西さんは
「まあね。」と笑って私の顔を見る。
「永野さんはお参りしないんですか?」と私が聞くと、安西さんが
「コウイチはそのうち家族と来るんだろ?」と笑う。
「僕は明日から、お休みをもらっているので、妻と明日初詣に来ます。ご心配なく。」
と永野さんは私に笑いかけた。
「コウイチは高校の同級生と結婚してて、夏には父親になるんだよ。
俺は置いてきぼりだ。」と安西さんは笑う。
永野さんは
「春妃さん、こいつと結婚してやって。
こんな地元にに女連れで来た事なんてないんだよ。
崇は結構、本気だと思うんだけど。」と私の顔を覗く。
私は笑って、
「私達は本当にお付き合いをしているわけではありません。」と言うと、永野さんは驚いた顔をする。
「ニーナ、俺は恋人だって思ってるけどぉ」と安西さんがクスクス笑う。
「崇、ちゃんと説明しろ。」と呆れた声で永野さんは安西さんの顔を見た。
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