月夜の手相占い

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「私の好みのタイプ」  ――じゃあ藤枝の好みってどんな男だよ?  ――鏡を見て考えてください! 「あ? あああ!?」  脳内で台詞が繋がった。 (あれは()ってことだったのか?) 「思い出しました?」  すぐ近くにある見慣れた顔がいたずらっぽく微笑む。赤や黄色のネオンを反射する白い肌が桃色に上気していた。 「自分の顔を見てから言えみたいな意味だと」 「違います。おじさんは捻くれてていけませんね。言葉通りそのまま受け取ってください」 「そ、か」
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