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「相変わらず黒いね……前から聞きたかったんだけどさあ、家にタンニングマシーンでもあんの?」
「いいや、海で焼いてるんだよ」
「ウソ、真冬でも超黒いじゃん」
「海外で焼いてるんだよ」
「ふうん、それで話って何?」
「本当に辞めるのかい?」
ペリエで喉を潤すと、権藤は静かに尋ねてきた。
「うん、ちょうど1年経ったしね。そろそろ潮時だよ」
「僕たちいいパートナーだと思うんだけどなあ……考え直す気は?」
「悪いけど、もう決めたことだから」
「そっか、残念……じゃあ、仕事抜きで僕のパートナーになる気は?」
「女子校生をからかっちゃダメだよ」
「からかう? まさか」
権藤は真剣な眼差しで、小夜を見つめた。
「私みたいなガキのどこがいいの?」
「顔もスタイルもモデル並み。加えて頭もよくて仕事もできる。そして一番は……強烈に何かを欲している、その瞳が好きなんだ」
相変わらずこの人は見透かしたことをいう……。小夜は心の中でポツリと呟いた。
「ありがとう。でも今は別の人に夢中だから無理」
「へえ、因みにどんな男だい?」
「うちの高校の子」
「こないだいってた、サッカー部のキャプテンかい?」
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