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ばあちゃんち
少し前に亡くなった、田舎の祖母ちゃんちを掃除に行ったら、まさかの今どきぼっとんトイレだった。
行きたくないと我慢していたが、母や親類がやれ西瓜だ、アイスだと差し入れてくれるものだから、食い過ぎて腹が……。
薄暗い廊下を進み、ドアの前に立つ。
ごくん。
別に、緊張することもないのだが、喉が唾を飲み込んだ。
ひとつ深呼吸し、意を決してドアを開けた途端。
……便器から突き出た白い手が、タイルの床を撫でまわしている。
は?
固まっていると目があるわけじゃないのにそれもぴくんと一瞬止まり、……あっという間に便器の中に消えていった。
【終】
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