藤森先生観察日記10

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ぶわっ、と涙があふれました。 先生の顔が滲んで、よく見えません。 うぅ、と声を洩らして顔を覆うと、先生が「はは」と笑いました。 「なんで泣くんだよ。そんなに嫌か?」 「ち、ちがいます……」 慌てて首を振ると、また先生が笑う声が聞こえました。 「………嬉しいです。私も、私も………」 「うん………」 先生の優しい相づちに励まされるように、私は涙に濡れた声で、言いました。 「先生が好きです………」 ずっと、ずっと、押し込めていた気持ちを、やっと言葉にすることができました。
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