第二章:06

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(背中が、さびしいな……) 意識を全方位に向け警戒しながら、ふとひとりごちる。 アルカーも、こんな気持ちで戦っていたのだろうか。……いや、あの男なら この苦境もものともしないかもしれない。 地面を削る勢いで蹴り飛ばし、突進する。ジェネラル・フェイスは悠然と立ちはだかる。 ――その態度が「むッ!?」という声と共にわずかに崩れる。 さきほど拾い上げた小石をアイ・レンズに向けて指弾として放ったのだ。 これはアルカーがよくやる戦法だ。少し、真似てみる。 「浅はかなッ!」 さすがにジェネラル。アルカーの手管であることを察し、怯むことなく 前方に向けて拳を突き出す――が、空を切る。 ノー・フェイスも流石に人まねが通用する相手とは思っていない。だから ジェネラルに隙を作ったうえで、あえてフェイスの群れにつっこんでいく。 「ヌ!?」 隙を窺っていたつもりが逆に隙をつかれ、わずかに動揺するフェイスたち。 脇にいた二体を瞬く間に蹴りたおすと、手近な一体をひっつかむ。 「クッ!? コノ、離セ……!」 言われたとおり、離してやる。 投げ飛ばしたフェイスは一直線にジェネラルへ飛んでいく。 軽く手でうけとめられるが――     
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