第一話 ファーストインプレッション

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第一話 ファーストインプレッション

とある平日の朝、僕は先ほど鳴っていた目覚まし時計を黙らせて至福の二度寝を決め込んでいた。 ああ...惰眠万歳とつぶやき掛けたのだが、僕の部屋...というかベッドの枕元に人の気配を感じた。 多分母親が僕を起こしに来たのだろうと思っていたのだが... 『あさ~あさだよ~朝ご飯食べて学校に行くよ~』 と、某有名ギャルゲー台詞が聞こえた瞬間 『今どきカノンを覚えてる奴いねぇよ!』 僕はせっかく某ギャルゲーと名前を濁したにもかかわらず実名で勢い良く突っ込みを入れてしまった。 枕元から聞こえた声が若いので母親では無いのは確かだ。 僕には姉や妹などいない。 恐る恐る枕元を見ると見知らぬ女子がニヤニヤしながら立っていた。 皆さん、想像してくれ。 結局寝起きで人がいたがこの世で一番怖い説と先日〈水曜日のダウンタウン〉で放送している位なのだから。 『じゃあ、お兄ちゃん早く起きないと遅刻しちゃうゾ』 てへぺろ(はぁと)みたいな効果音が付きそうだが、先ほど僕は既に妹は居ないと言ったばかりだ。 『て、言うか君どなた?』 君の名は?と聞くと何か嫌な悪のり予感がしたので、若干変な質問になってしまった。 その質問を待ってましたと言わんばかりの満面な笑みを浮かべた枕元の女子が僕にこう名乗った。 『私は(早乙女 麗香)だよ』 ウソつけ!なんだそのギャルゲーみたいな名前は!!
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