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ヒロシはマサシを連れて、更に奥の『専門書コーナー』に向った。
そしてポケットから千円札を出して、
「とにかく、これ返しますから、その本を返してください」
「それはダメですよ」
「なぜですか?」
「もう数行、読んじゃったから。もうこの本は僕の物です。だから、その千円は受け取れないですよ」
「ん……。そうですか……」
「貴方そう言うけどね、この本、なかなか面白いし……いいと思うよ」
ヒロシは、複雑な表情で、
「ありがとう……」
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