第三章 消えゆく灯火

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その人はドリンクの方へ行き水とコーラそれとお茶を持ち弁当が並んでるコーナーへ行きお弁当三個ほど持ちレジに並んでいた。 俺は本を置き後ろの方から静かに近づいて行き彼の後ろへ並んだ。 スーツ姿の彼は明らかにサラリーマンぽい風格でシャンプーの香りの香水かなにか付けていて金持ちが使いそうな財布をだしクレジットで支払いを済ませ車へ向かっていった。 その時俺は一か八かある煙草を購入して彼の元へ走っていった。 何故か彼からは想像つかないどこか田舎の匂いがして謎の連帯感があり俺は話しかける事にした。 航 「あのー、もしかしてこの煙草なんか吸ってないですか?」 俺はその時外に出て人に喋りかけたのは久しぶりの事だったのでちょっと人見知りぽい感じだったが伝わったようで 「えぇ?そうですけど、え、なんで分かったんですか?何処かでお会いしました?」 その時確信が付いた。 変わらない声と喋り方。 忘れてはいなかった。 航 「初めまして。菊地航と言うものですか、前世か何かでお会いしましたよね?そのいかつい目つきは忘れてませんよ玄守。」 そう俺は帽子を外し喋りかけた。 彼の目はいつも以上に見開き再び会うことが出来その奇跡の瞬間に俺は笑顔を見せ笑った。 玄守 「え?まさか明寿か?」 航 「それの生まれ変わりよ。菊地航宜しくな」 久しぶりの再開に車の前で彼は泣きついてきた。 彼の背中は色々な感情が混ざり悲しみや憎しみ思い出と幼い頃の記憶が蘇えった。 悟は弱みを握り脅したらしいが俺にはそんな事などどうでも良くまた会えたことに感謝をした。 玄守 「馬鹿野郎お前困ってたら真っ先に相談しに来いよ。何勝手に死んでんだよ。」 航 「ごめんな。」 玄守 「友達の御通夜ほど悲しい事はねぇーよ」 航 「ごめん。本当心配させて。」 玄守は今まで溜まっていた想いを話してくれた。 俺はそれに謝ることしか出来なかった。 それからしばらくした後車に乗り家へ帰っていった。
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