繋がる想い

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安心させるように優しく口付けて、「直ぐ戻る」と云って一旦俺は部屋を出た。 此処は聖也の部屋で、必要な物が此処には無い。 自分の部屋の机の引き出しを開けて、聖也の元に戻るとベッドの上で半身を起こしてあからさまにほっとした顔で息を付いた。 両親が俺達の部屋に勝手に入って来る事は無いけれど、一応鍵を掛けてベッドに近付く。 腰掛け、抱き寄せて与えた口付けを直ぐに深いものに変えて聖也のネルのシャツのボタンを一つずつ外していく。 出来るだけ腰に負担を掛けないようにベッドヘッドにクッションと枕を置いて、凭れ掛けさせて部屋着のスウェットを下着ごと引き下ろせば、細い体が小さく震えて既に張り詰めて濡れた中心がぴくぴくと動く。 恥ずかしそうに目元を染める聖也にもう一度軽く口付けて、自分の身に纏っていた物も全て脱ぎ落とした。 「………兄さ、電気……」 「駄目だ。ちゃんとお前の全部を見たい」 小さく笑って両膝を立てて開かせれば、首まで朱く染めて手の甲で口元を隠す。 その手をそっと掴んで退かせ、開いた足の間に体を進めて再び深く口付ける。 片手で自重を支えながらもう片方の手を耳朶から首筋、胸元から腰へと滑らせて行けば、その度に体を震わせて熱い吐息が漏れる。 この体に触れて、開いて熱を分け合ってからどれだけ過ぎただろう。 濡れた唇を解放して耳朶を喰みながら、あの時と同じ言葉を囁く。 「………愛してる……聖也……」 突き放す為に絞り出した言葉じゃ無くて、ずっと一緒に居る為の本心からの言葉を。 「ふ、ぁあ…っ、んっ、兄さ、にい……は、あんっ」
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