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『リリアン・ローズ君サンダーの魔法を唱えなさい!』
試験官らしき老人が名簿を見ながら五メートル程前方にあるダミー人形を指した。
「はい!ジーニアス教官!私頑張ります!」
リリアン・ローズと呼ばれた女の子が勢い良く片手を上げた。
もう片方の手には肩肘位の長さの簡素な杖が握られている。
「…お…おいヤバいんじゃないか?」
リリアンと同年代位の男子がそう言うとリリアンが魔法詠唱に入ると同時に他の数十人の男女が一斉に10メートル後方へと後退りした。
《大地にあまねく精霊達よ…我、初めて使う魔法に力を貸したまえ…》
「はいはい…リリアン・ローズ君。サンダーは天空の精霊だし、そもそも初めて使う魔法ではありませんよ。」
ジーニアス教官の的確なツッコミも聞き入れず、リリアンはサンダーの魔法詠唱が完了する。
『行きます!サンだはぁぁぁぁっっっ!』
《ピシャッゴロゴロドカン!》
派手な音と共にサンダーの魔法が落ちたのはリリアン本人であった…
『…ふむ…行きます!は余計な言葉じゃ、リリアン・ローズ君はいつも一言多いのが欠点じゃな。
リリアン・ローズ君零点!』
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