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「お茶、出来たよ。ローズヒップがちょっと酸っぱめだから蜂蜜入れる?」
「うん、そだね、レモン入れるしね」
宙良はモゴモゴとクッキーを食べながら答える。
その姿がちょっと可愛くて私はフフフと笑った。
「何?」
「ううん、何でもない。レモン入れるね」
私は蜂蜜をたっぷりと入れた後にレモンをカップに浮かべる。
あの時、頑張って採ったレモンだと思うと、何だかちょっと嬉しい。
いや、反省してない訳じゃないんだけど……
「はい、できたよ」
「お、ありがとう」
宙良はカップを手に取ると、スプーンでクルクルとかき混ぜて、それからレモンを取り出して、ソーサーの端に置いた。
そして、少しずつお茶を飲む。
「うん、美味しいよ。思ったよりもベリーの味がしてて、爽やか。」
「良かった!私も飲もう」
私も一口すすると、彼が言ったように、口の中にローズヒップの程よい酸味とベリーの甘い香りが口の中に広がった。
「うん、ホントだ。美味しい。」
私たちはたわいもない話で盛り上がり、沢山笑った。
久しぶりに過ごす宙良との時間はすごく楽しい。
でも、ちょっと落ち着いたし、私の気持ちを宙良に話さないと。
そう思うとちょっと緊張する。
「あのね、宙良。ちょっと聞いて貰いたい事があるの」
「ん?なに?」
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